こんにちは。まくおです。
人生を変えたいと思った時、人はまず前向きな言葉を探します。
本を読む。
動画を見る。
誰かの体験談に救われる。
「自分も変われるかもしれない」と、やってみようと思う。
その気持ちは悪くはない。
望む現実が、そこから始まることもある。
けれど、しばらく続けていると、ふと気づく瞬間がある。
心は前より落ち着いている。
考え方も、少し変わってきた。
なのに、目の前の現実は変わっていない。
ここで、多くの人が心を落とす。
口に出さなくても、胸の奥で思っている。
これは本当に効いているのか。
それとも、気持ちが少し楽になっただけなのか。
今回の話は、その引っかかりから始まる。
言葉を変えても、現実が変わらない。
あれほど思い描いたのに、何も変化はなかった。

感謝もした。
運がいいとも口にした。
いい未来も、何度も頭の中で臨場感をつくり、イメージした。
それでも、今日も一日大したことは起こらなかった。逆に嫌になることが増えたのがわかる。
帰宅して部屋へ入ると、空気はどんよりしている。
溜息しか出ない。
メールを見ても、あるのはフィッシングメールと何の役にも立たない知らせばかり。
また今日も、退屈な時間の延長戦か。
そんなふうに思う毎日が続く。
引き寄せなんて、ほんまにできるんか。まともに考えたら、ありえない話としか思えない。
まぁ、確かに落ち着いてはきたが、それだけだ。
まぁ、こんなもんか。
そうやって、心の奥で少しずつ冷めていく。
けれど、わたしは途中で気づいた。
願望が叶わないのは、思いが弱いからではない。
願望を受け取る器が、まだできていないだけかもしれない。

願望は、水のようなものかもしれない。
流れが来ることはある。
縁が来ることもある。
お金が入ることもある。
チャンスが目の前を流れることもある。
けれど、入れる器がなければすり抜けてしまう。
目の前に流れが来ていても、こちらに受け取る器がなければ、ただ通り過ぎるだけだ。
手ですくおうとしても、指の間から落ちていく。
そもそも、その流れに気づけないこともある。
「あれはチャンスだったのかもしれない」
そう気づくのは、たいてい後になってからだ。
だから、願望を叶えたいなら、願望だけを待っていても足りない。
先に、器を育てることが必要だったんだ。
これが、わたしの考える仕込みの法則だ。
1. 願っても現実が変わらない理由
願望はなんだ?
お金が欲しい。
欲しいものが山ほどある。
心優しい恋人がほしい。
運の流れを変えたい。
この気持ちは悪くはない。
願望があるから、頑張ろうとする。
心の中に向かう何かがあるから、進もうとする。

ただ、願望だけを求め続けるから、苦しくなる。
まだ叶っていない。
まだ来ない。
まだ足りない。
願望を引き寄せているつもりが、いつの間にか「不足」を育てている。
ここで心が濁り始める。
引き寄せようとしているのに、心の奥では「まだか、まだか、まだか」と数えている。
これでは、流れが滞る。水門に溜まったごみをせき止められるように。
湯豆腐を作る時も同じだ。
豆腐を鍋に入れた瞬間から、箸を持って待ち構えても、うまくはならない。
火が入り沸騰までの時間がいる。
湯気が立つまでの辛抱がいる。
豆腐の芯まで温まる時間がいる。
焦って火を強くしすぎれば、豆腐は膨れてしまう。
豆腐は温めすぎると、たんぱく質が縮んで水分が抜け、表面に細かな穴ができる。
これを「すが入る」という。

願望も、焦って火を強くしすぎると、心にすが入る。
早く叶えたい。
早く結果がみたい。
早くどうにかしたい。
そうやって心を煮立たせると、せっかくの願いまでぼろぼろになる。
願望を抱くのが悪いのではない。
順番が違うだけなのだと思う。
願望を叶える前に、願望を受け取れる土台(器)を育てる。
ここを飛ばすから、流れが来ても扱えないだけだ。
2話へつづく。

