「断食って、ダイエットの手段じゃないんですか?」
そんな問いを受けるたび、私は答えます。 「本当に変わるのは身体より意識です」と。
今の時代、情報もモノも多すぎて、自分の内側の静けさに触れる機会が減ってしまった。 その静けさを取り戻す方法のひとつが、断食。
このQ&A記事では、初心者の基本的な疑問から、経験者も納得する深い気づきまで、 人間の本質に触れながら、丁寧にひとつずつ答えていきます。
あなたの疑問が、静かにほどけていく時間になりますように。
【基礎編】断食って結局なんなの? 土台を整えるQ&A

Q1. 「断食」と「ファスティング」って何が違うの? ⇒ 言葉は似ていますが、使われ方に微妙な違いがあります。 「断食」は宗教的・修行的な印象が強く、「ファスティング」は美容・健康志向の人にも親しみやすい呼び名として浸透しています。 どちらを使うかよりも、内臓を休めて自己治癒力を高めるという本質を忘れないことが大切です。
Q2. 初心者は何日から始めたらいい? ⇒ まずは「朝だけ抜く半日断食」から始めましょう。 そこから慣れてきたら1日断食→週末断食→3日断食へと、段階的に深めていくと安全で効果的です。
Q3. 断食って何のためにするの? ⇒ 食べないことは、ただ我慢するのではなく体の声を聞く時間です。 胃腸を休めることで体内のノイズが減り、感覚が研ぎ澄まされていきます。 「身体」だけでなく「思考」や「感情」にも変化が起きていきます。
Q4. 断食したら何が変わるの?ダイエット効果だけ? ⇒ ダイエット効果もありますが、それはおまけです。 むしろ大きいのは「頭がスッキリする」「五感が鋭くなる」「感情の安定感が増す」などの内側の静けさです。
Q5. 朝だけ抜く「プチ断食」って効果あるの? ⇒ 忙しい現代人にはむしろ理想的。 朝は排泄の時間帯なので、無理に食べるより白湯やフルーツで流れを整える方が自然です。 胃腸の負担が減り、午後からの集中力や代謝にも良い影響があります。
【実践編】やってみたくなった人へ よくあるQ&A

Q6. 断食中にフラフラになるけど大丈夫? ⇒ これはエネルギー源が切り替わるサインです。 糖質代謝から脂質代謝に移行する過程で一時的に頭がボーッとしたり、力が出ないことがあります。 十分な水分と、天然塩をひとつまみ加えることで楽になることも多いです。
Q7. 水だけ断食って危険じゃない?塩は必要? ⇒ 「水だけ」で長期間過ごすと、電解質が不足して危険です。 1日~2日程度の短期間なら問題ありませんが、塩(できれば天然塩)は必ず補いましょう。
Q8. コーヒーやお茶は飲んでもいいの? ⇒ ブラックコーヒーや無糖のハーブティーは基本的にOKですが、カフェインは交感神経を刺激するため人によっては合わないことも。 できれば白湯や常温の水中心が理想です。
Q9. サプリメントや酵素ドリンクって必要? ⇒ 絶対に必要というわけではありません。 ですが初めての方や体力に不安がある場合は、無添加の酵素ドリンクやミネラル補給を併用することで安全性が増します。
Q10. 便が出なくなった…大丈夫? ⇒ 食べていないので便が出ないのは自然です。 ただし、腹部の張りや苦しさを感じた場合は白湯や腸内ケア(ぬか漬け・発酵食品)で排出を促しましょう。
【身体反応編】体は何を伝えようとしてる?──不安と変化への答え

Q11. 船瀬俊介さんは断食の何を語っているの?それって信じていいの? → 信じる価値はあります。なぜなら、彼の主張は「体の自然治癒力を取り戻す」という本質に貫かれているからです。
船瀬俊介氏は『3日食べなきゃ、7割治る』という著書で、断食の効果を以下の3つのステップで解説しています
- 自己浄化(排毒)
- 病巣融解(オートファジー)
- 組織新生(再生)
つまり、断食はただ食べないことではなく、身体の再起動であるという立場です。
多くの人が「断食=痩せるため」「カロリー制限」と考えがちですが、それは誤解です。 断食は「自然治癒のスイッチを入れる」ための方法であり、現代医学の対症療法とは根本的に視点が異なります。
科学的な立証は一部にとどまりますが、彼の示す直観的な視点は、現代人にとって忘れてはならない重要なメッセージです。
身体を空にすることで、本当に大切なことが見えてくる それが、断食がもたらす深い変化のひとつなのです。
Q12. 頭痛・寒気・吐き気…これって「好転反応」なの? ⇒ よくある質問ですが、すべてが好転反応とは限りません。 確かに、断食中に体内の毒素が動き出して一時的に不調を感じるのは自然なことです。
ただし、「我慢すれば治る」と放置するのは危険です。 以下のような症状がある場合は、体がSOSを出しているサインかもしれません
- 頭痛が激しく、水分を摂っても治らない
- 吐き気や下痢が止まらない
- 手足の震え、動悸、強い倦怠感
このような場合は無理をせず中断し、体を整えてから再チャレンジしましょう。 断食は耐える方法ではなく、いたわる行為です。
Q13. 手足が冷えるのはなぜ?冷え性に悪影響? ⇒ 断食中は代謝が下がり、体が省エネモードに入るため手足が冷えやすくなります。 体が生命維持に必要な内臓を優先している証拠でもあります。
ただし、冷えを我慢するのは逆効果。レッグウォーマーや湯たんぽ、白湯などで温めながら実施してください。 体を冷やさない工夫が、断食の質をさらに高めてくれます。
Q14. 胃がムカムカする/胃酸が上がるのはなぜ? ⇒ これは「条件反射的胃液分泌」と呼ばれるもので、習慣的に食べていた時間になると脳が自動で胃に指令を出すことがあります。
この場合は
- 重曹を少量の水に溶かして飲む
- 梅干しをお湯に溶かして飲む
- 温かいお茶でリラックスする
など、粘膜保護と自律神経の調整がカギです。 食べないこと自体ではなく、「いつも食べていた習慣」への反応なのだと理解することで楽になります。
Q15. 筋肉が落ちるのでは?と心配です ⇒ 長期間の断食であれば筋肉の分解は起こりますが、1〜3日程度の短期断食で筋肉が著しく減ることはほとんどありません。
むしろ、姿勢が整い、余計な筋肉の緊張が抜けることで“軽くなった”と感じる方が多いです。 また、断食明けに良質なタンパク質と適度な運動を取り入れれば、筋肉はすぐに回復していきます。
【心・意識編】断食は「意識の浄化」でもある
Q16. 感情が不安定になることってあるの? ⇒ あります。むしろ自然な反応です。
断食によって身体が静かになると、それまで押し込めていた感情が表に出てきます。 怒り、寂しさ、不安、日々の食事や刺激で覆い隠していた心の断片が、空腹の中で顔を出すのです。
それは「壊れている」のではなく「整っていく前の揺らぎ」。 湧き上がる感情に善悪をつけず、ただ観察してみてください。
Q17. 断食中に涙が出てきた。これって変ですか? ⇒ 全く変ではありません。
涙は、心の老廃物が抜けていくサインでもあります。
私たちは、日常生活の中で無意識にたくさんの感情を抱え込みながら生きています。 断食によってそれが溶け出し、涙となって表に出ることがあります。
それは決して弱さではなく、「感受性が回復している」証拠です。
Q18. 断食していたら感謝の気持ちが湧いてきたのはなぜ? ⇒ 胃腸が空になると、感覚が研ぎ澄まされていきます。
すると、普段は見落としていた「ありがたさ」が、ふと胸にこみ上げてくる。 水の一口、ご飯の一粒、空気の澄んだ感じ……
それらがどれだけ尊いものだったか、身体と心が実感するようになるのです。
これは精神論ではなく、生理的に「副交感神経優位」になることで、自然と感謝モードになる神経作用でもあります。
Q19. 静けさが心地よくなってきた。これは正常? ⇒ はい、それは本来の感覚が戻ってきているサインです。
現代人は、常に情報・音・会話・通知に追われています。 断食はそれらを遮断し、内なる静けさ に耳を傾ける機会をくれます。
最初は退屈に感じても、やがて「この静けさが一番贅沢だった」と感じられるようになる人も多いです。
Q20. 断食中、何かが 抜けた ように感じたのはなぜ? ⇒ 食を絶つことで、身体の重さだけでなく、心のしがらみも一緒に抜けていくことがあります。
思考が軽くなり、視界が明るくなる。 言葉にできないけれど、「何かがスーッと抜けた」感覚。
これは断食によって感覚が敏感になり、エネルギーの滞りが解消された証ともいえます。
身体と心はつながっている。
断食を通じて整うのは、内臓だけではありません。あなた自身の本来の波長なのです。
【人による違い編】年齢・性別・体質で変わる断食のリアル
Q21. 女性と男性、断食の効果は違うん? ⇒ これ、意外と知られていませんが違います。 ホルモンバランスの影響で、特に女性は断食に敏感です。
女性は「生理周期」や「排卵期」「更年期」など、体内リズムの影響を強く受けます。 だから無理な断食をするとホルモンが乱れて逆効果になることもあります。
逆に、排卵後〜月経までの間は落ち着きやすく、プチ断食に向いている時期とも言われています。
男性は基本的に代謝が安定している分、ストイックな断食でも比較的安定しやすい傾向があります。 自分の体のリズムをちゃんと観察してあげることが大切です。
Q22. 生理中や妊娠中に断食しても大丈夫? ⇒ 結論から言うと、基本的にはおすすめできません。
生理中は血を失う時期で、体力も免疫も落ちています。 この時期に断食しても、負担のほうが大きいです。
妊娠中に関しては、胎児に必要な栄養が届けられない可能性があります。
どうしても断食したい場合は、生理後〜排卵までの元気な期間に、軽めのプチ断食から始めるのが安全です。
Q23. 高齢者や子どもは断食してもいいの? ⇒ 基本は「指導のもとで慎重に」行うべきです。
年齢が高くなるほど筋肉量も水分量も落ちているため、栄養不足になるリスクが高いです。 ただし、食べ過ぎや内臓疲労を抱えている高齢者には、医師の監修下で行う短期断食が体に合う場合もあります。
子どもは成長段階なので、断食そのものはすすめられません。 ですが、「ジャンクフード断ち」や「夜だけ抜く軽食調整」など、「半断食的アプローチ」は教育として有効なこともあります。
Q24. 持病があっても断食して大丈夫? ⇒ 病名によります。 糖尿病、心臓病、腎臓疾患、高度な貧血、甲状腺疾患などを持っている場合は、自己判断で断食してはいけません。
ただし、軽度の生活習慣病(高血圧・脂質異常・肥満)に関しては、断食が良い方向に働くこともあります。 ですが、これはあくまで個人差があるため、必ず医師に相談してから始めてください。
Q25. 体重が少ない人が断食しても大丈夫なの? ⇒ これはよく誤解されがちですが、体重が軽いからといって断食がNGとは限りません。 問題は「脂肪の量」と「筋肉のバランス」です。
痩せ型でも脂肪過多(内臓脂肪タイプ)だったり、消化器に負担がかかっている人もいます。 そういう人には、短期的に内臓を休ませるプチ断食が逆に効果的です。
ただし、エネルギー切れにならないように温かい白湯や少量の酵素ドリンクなどでサポートしながら行うのが前提です。
痩せているからといって、断食を怖がる必要はありません。
【回復編】断食明けが「ほんまの勝負」や
Q26. 回復食ってなにを食べたらいいの? ⇒ 絶対に守ってほしいのは、「胃にやさしい・シンプル・発酵系」の三拍子。
例を挙げると
- 重湯(おかゆの上澄み)
- 味噌汁(具なしまたは大根・人参)
- すりおろしりんご、すりごま入り大根おろし
断食明けは、腸がまっさらな赤ちゃん状態。 そこにいきなりジャンクフードを入れたら、内臓がパニックを起こします。
Q27. 回復食に絶対NGなものってある? ⇒ 声を大にして言いたい。
- 肉類(特に脂身の多いもの)
- 乳製品(チーズ・ヨーグルト)
- 揚げ物(フライドポテト・唐揚げ)
- アイス・スナック・菓子パン
「せっかくリセットしたのに、それを台無しにしてどうするん?」という話です。 断食はゴールではなく、リスタートなのです。
Q28. 回復食でリバウンドした…何が原因? ⇒ 一番多い原因は「食べすぎ」と「急ぎすぎ」。
断食後は吸収力が倍以上になっています。 いつも通り食べているつもりでも、エネルギー過多になってしまうんです。
特に、
- 焦って栄養を詰め込む
- 甘いものに手が伸びる(反動)
これがリバウンドの元になります。 断食後は少し物足りないくらいで止めるのがコツです。
Q29. 回復食の期間ってどれぐらい必要なの? ⇒ 目安は「断食日数と同じだけ」。
1日断食したら、1日は回復食。 3日断食したら、3日は慎重に。
これをサボると、体が混乱して逆に疲れてしまいます。 私はいつも「断食は回復食までがセットです」と言っています。
Q30. 断食明けに感じた「クリアな感覚」は続けられる? ⇒ 結論から言うと、意識して選べば続けられます。
ポイントは
- 食べるものをシンプルに保つ
- 情報を詰め込みすぎない
- 呼吸と姿勢を意識する
断食で得た透明感は、静けさの質。 それを守るには、生活の中に「余白」を残すことが大事です。
【深掘り編】「ほんまの問い」に答えていくで
Q31. なぜ断食すると「内面の嘘」が見えてくるん? ⇒ 食べることで、わたしたちは毎日何かをごまかしている。 寂しさ、退屈、不安、虚無感…… それを一時的に満たすために、口に運んでいることって正直あると思いませんか?
断食すると、それができなくなる。 すると、浮き彫りになるんです。「本当は自分、何に向き合えていなかったのか?」ということに。
Q32. 断食中に「本音」が出てくるのはなぜ? ⇒ 胃腸が休まると、脳も静かになる。 脳が静かになると、無意識の声が表に出てくる。
普段のわたしたちは、情報・予定・食べ物で頭がパンパンです。 だから本当の声が聴こえてこない。
断食とは、空っぽになること。 その空っぽの中に、「本当に言いたかったこと」「本当にやりたかったこと」が浮かび上がってくるんです。
Q33. 断食って 祈り と似てるんだけど、私だけ? ⇒ とても鋭い感性です。それ、私も同じように思っています。
食を断つという行為は、内側に戻るということ。 それは、外に答えを求めず、「静けさの中に立ち返る」ことでもあります。
宗教的な意味を抜きにしても、断食には精神を澄ませる力がある。 祈りもまた、沈黙と静けさの中で生まれる行為です。
つまり、断食と祈りは同じ方向を向いている。 「いまの自分をリセットして、整える」ための方法。
だからこそ断食を終えたあと、 「なんだろう、この感謝したくなる気持ち…」と感じるのも、自然な流れなのです。
【まとめ】
断食は、ダイエットするだけの方法ではありません。 体を細くすることではなく、感覚を研ぎ澄まし、心の奥と再会する時間です。
あなたが何に悩んでいても、どこか体が重たくても、 そこに「静けさ」を差し込むだけで、人生の歯車は動き出します。
その 静けさ を取り戻す方法のひとつが、断食なのです。
食を断つことは、命を整えること。 そして、自分の内側にある本当の声に気づくこと。
私は、そう信じています。
この記事が、あなたの「静かな時間」のきっかけになれば嬉しいです。 最後まで読んでくださって、心からありがとうございます。
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